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入浴剤のワナ①

入浴は、人間が健康的な身体を維持するために欠かせない行為です。人間が住む環境には、清潔に見える場所であっても、空気中にホコリや細菌が存在し、肌の表面にもさまざまなものが付着しています。また、古い角質層を排出する上でも、入浴は必要不可欠といえます。女性の中にはお風呂好きという人もいます。湯船に浸かればジワリと汗をかき、汗と一緒に老廃物を排出することができる上に、心拍数を上げて軽い運動程度の身体への負荷も期待できます。ダイエット目的で「長湯」を楽しんでいる人もいるでしょう。長湯のお供となりやすい入浴剤は、血行を促進して、肩コリなどもほぐしてくれて、疲れた身体を癒してくれるものです。

成分によっては、ツルツルな肌を感じる人もいます。リラックスができて血行も良くなり、代謝も上がって肌もすべすべならば、入浴時間は長くなっても当たり前かもしれません。ただし、美肌にとっては、長湯も入浴剤も、あまりおすすめできないのです。入浴剤には、無機塩基類や炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの成分が含まれています。肌を包み込んで保湿し、表面から体内に作用して末梢の血管を拡張して血流を上げ、緊張した筋肉をほぐすなど、さまざまな働きがあります。

その作用に期待をかけすぎて「長湯」になると、肌にとっては逆効果になることがあるのです。肌にとっては入浴剤の成分も刺激になります。入浴剤の成分で肌の表面を保護するといっても、長時間の入浴では、肌の表面のバリア機能が壊れてしまうのです。肌のバリア機能は、角質層の細胞と細胞の間にある抽の袋(脂質)が水分を保つことなどで維持されています。しかし、湯船に浸かっているうちに、肌の表面の水分が増えすぎて、脂質などが流れ出てしまうのです。

長湯になればなるほどバリア機能は破壊され続けます。入浴剤の成分で保湿をキープしようとしても、失われた脂質などを補うことは難しい。入浴後に肌が乾燥してカサカサするのを防ぐために、ボディーローションなどを身体に塗る方もいます。ただし、壊れたバリア機能にローションを塗っても、保護することに期待はできますが、バリア機能の回復には時間がかかると思います。長湯でバリア機能を破壊しないことこそが重要なのです。