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流行の追求が美肌を壊す③

皮下脂肪は、肌の下の皮下組織に存在します。太っている人では、皮下脂肪が標準体重の人よりもたくさんあるため、肌は皮下組織の脂肪で持ち上げられた状態です。一見、弾力やハリがある肌は、肌の健康によるものではないのです。脂肪によって押し上げられた、いわば、膨らんだ風船のようになっているのです。もちろん、人間の肌は風船とは遠います。針で刺しても、パンと割れてしぼむことはありません。ずっと膨らんだ状態。それこそが、肌にとってよくないのです。肌というのは、引っ張られてのびることはできますが、限度を超えると、ゴムのように簡単には元に戻りません。のび切った状態になってしまうのです。

その結果、ダイエットをして皮下脂肪がなくなると一気に支えを失い、元の位置に戻ることができません。それが、たるみ、シワを一気に増加させることになるのです。若い方ので肌は再生能力も高いのですが、30代を過ぎて肌の組織の老化が始まっていると、その現象は起こりやすくなります。では、太ったままならば、肌はのばされたままでシワやシミもない。減量しなければいいという考え方はあります。しかし、脂肪細胞そのもので、肌の細胞がダメージを受けることも大いに考えられるのです。人間の脂肪は、ブドウ糖の貯蔵庫のような役割を果たし、余分な栄養素を蓄えて飢餓状態のときに備える仕組みになっています。

男性と比べて女性の皮下脂肪が多いのは、妊娠・出産に耐えられるためともいわれていますが、皮下脂肪がたまりすぎると内臓の方にも脂肪がたまります。これを「内臓脂肪」といいます。内臓脂肪の功罪は、メタポリックシンドロームの話題で取り上げられることが多いので、ご存知の方もいると思います。悪玉コレステロールを増やして動脈硬化を促進させ、高血圧にも結び付き、血糖値をコントロールするインスリンの働きを阻害します。これらの生活習慣病の悪化から心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める悪の元凶です。そんな悪さは、脂肪組織から合成されるさまざまなホルモンの影響によると考えられています。

これらのホルモンは、脂肪組織がほどよく存在している分には、身体にいい影響をもたらすのですが、増えすぎると反作用に転じるといわれているのです。肌の細胞にとっても、増えすぎた脂肪組織の悪影響を受けざるをえません。皮下脂肪で押し上げられながら、さらにその脂肪によって細胞はダメージを受け続けるため、シミができやすくなる。加えて、免疫機能のバランスが崩れて湿疹も生じやすくなるのです。炎症によって肌の表面の角質層が浮かび上がる乾癬という肌の病気は、肥満と関係が深いといわれています。太っている人は、一見、キレイな肌をしているように見えても、細胞内ではダメージを受け続けているのです。太りすぎは美肌にとっても、もちろん健康のためにも、よくありません。

ダイエットのためにはある程度の運動も必要といえます。つまり、食生活の見直しで注意すべきは、痩せすぎでもなく、太りすぎでもない、標準体型をキープすることにあります。今日からぜひ標準体型キープのために食生活を見直してください。すでに標準体重を維持されている方は、食事内容のバランスや睡眠、ストレス解消についてチェックしてください。規則正しい生活習慣こそが、美肌にとっては有効です。特別なことをしなくても、全身の健康を考えた生活習慣を考えて、美肌にも役立てていただきたいと思います。